メインコンテンツにスキップ
コラム

英語、日本語、中国語を学んで分かったこと

英語、日本語、中国語を学んで分かったこと

2019年に麻雀ウォッチさんのインタビューを受けたとき、インタビュアーの方から「義務教育から英語を勉強しているはずなのに、全然喋れない」という話が出ました。私の答えは、話す機会が少なかったからではないか、結局はアウトプットして直してもらうことの繰り返しが大事だ、というものでした。その答えの最後に言ったことは、今でもそのとおりだと思っています。

ニコラスの写真

言語を覚えるには、失敗してもいいからどんどん前に出て先に進むことですね

(インタビュー記事はこちら)

この記事では、英語も日本語も独学で始め、あとから大学で語学を学んだ私が、何が役に立ち、何はやらなくていいと思うかを書いてみます。英語を勉強している方にも、そのまま当てはまる話だと思います。

私の語学歴

アルゼンチン育ちで、母語はスペイン語です。英語は10歳ごろから独学で覚えました。日本語を始めたのは11、12歳のときで、日本語を基礎から教えてくれるWebサイトがきっかけです。好きだった日本の音楽やゲーム、アニメを自分で翻訳したかったんです。最初の目標は、ひらがなとカタカナを覚えることでした。

体系的に学んだのは、そのあとです。2009年から2011年にかけて、大学の語学センターで日本語と中国語の資格を取りました。2012年から2015年までは大学で文芸翻訳・専門翻訳を学び、学位を取りました。その後、日本に来るまでの1年足らず、同じ語学センターで日本語を教えました。

初めて日本に来たのは2011年で、尼崎に3か月ほど滞在しました。2016年に大阪へ移り、今は日本語と英語で仕事をしています。

一方で、中国語は今も基礎レベルです。同じセンターで、同じように資格も取ったのに、です。この差については、あとで書きます。

楽しめるインプットを大量に

語学には、とんでもない量のインプットが必要です。それだけの量をこなす方法を、私は「楽しむこと」以外に知りません。先ほどのインタビューでコツを聞かれたときも、「飛び込むこと」と答えました。音楽を聴いたり、無理やりにでも本を読もうとしたり、ドラマを観たり。もともと好きなものなら、勉強している感覚はあまりありません。

授業にも意味はあります。私も何年も通いました。ただ、授業は土台を作ってくれますが、量までは用意してくれません。

アウトプットは早めに、そして直してもらう

読んでいるときは「分かった気」になれます。本当に分かっているかどうかは、一段落書いてみるか、一文を声に出してみるとはっきりします。

直してもらうときは、聞き方を少し工夫するといいです。「これって自然ですか?」と聞くと、たいてい「自然ですよ」と優しく返されます。「これ、どう言いますか?」と聞けば、ちゃんとした答えが返ってきます。直してもらった内容は、あとで見返せる場所に残しておきましょう。同じ間違いは、だいたいまたやります。

麻雀が本番のアウトプットの場になった

私にとって一番役に立った練習は、勉強には見えないものでした。2009年に天鳳を始めた日から、スペイン語と英語で麻雀のブログを書き始め、その後も、麻雀本の執筆や麻雀関連の翻訳に関わってきました。

なぜ効いたのか。本物の読者は間違いにすぐ気づきますし、分野が狭ければ、言葉を正確に使うしかありません。麻雀の日本語は、狭くて濃い語彙の世界です。英語圏では放銃をdeal-in、押し引きをpush/foldと呼びますが、訳語を知っているだけでは足りません。どんな場面の、どんな判断を指す言葉なのかをなんとなくの理解で済ませていたら、戦術記事は訳せません。

麻雀をしない方は、自分にとっての「麻雀」を探してみてください。その言語のコミュニティがある趣味と、その中で、まだその言語を読めない人のために訳す価値のある何かです。

やらなくていいこと

準備が整うまで待つこと。 あくまで私の印象ですが、日本には完璧主義の人が多いと思います。失敗すると恥ずかしいから話さない、話さないから喋れるようにならない。インタビューで言ったことは、まさにこの話です。

頭の中で単語ごとに訳すこと。 翻訳を学んで一番大事だと教わったのは、単語ではなく意味を訳すということです。一語ずつ訳していると遅くなりますし、文も不自然になります。まずはそのフレーズが何のために使われるのかを覚えて、単語の対応は後回しで構いません。

アプリを集めること。 連続記録が教えてくれるのは、そのアプリを開いたかどうかだけです。楽しめるインプットをひとつと、定期的に話すか書く場をひとつ。仕組みとしてはそれで十分だと思います。

何にもつながらない勉強。 私の中国語がまさにこれです。日本語にはいつも引っ張ってくれるもの(最初は音楽とゲーム、次に麻雀、そして仕事)があったのに、中国語には教室しかありませんでした。差はそこだと思っています。

日本語を学ぶ人へ

ここからは、日本語を勉強している方や、外国人の仲間に日本語を教える立場の方に向けて、私が役に立ったと思うことを少しだけ書いておきます。

漢字は、リストとして覚えてもなかなか身につきません。単語で覚えれば、読み方ごと、文脈と一緒に入ってきます。書けることより読めることが先で大丈夫です。タイピングは最初の週から、日本語IMEのローマ字入力で始めましょう。「いじょう」と打って「以上」と「異常」のどちらが正しいか選べるかどうかで、その単語が身についているかを確かめられます。

敬語でいちばんつまずきやすいのは、ウチとソトの区別です。お客様と話すとき、自分の上司は「こちら側」なので敬語を使いません。「田中部長はいらっしゃいません」ではなく、「田中は席を外しております」です。

今日、その言語で何かひとつ言ってみてください。下手でも構いません。そして、誰かに直してもらいましょう。


この記事は、nikorasu.devに掲載した「英語、日本語、中国語を学んで分かった、効く勉強法とやらなくていいこと」を、このブログ向けに書き直したものです。(元の記事)


関連記事