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コラム

自分の麻雀を、何に変換できるか

自分の麻雀を、何に変換できるか
ニコラスの写真

プロ雀士って、実況、解説、リポート、文章、配信、教室など、麻雀を人に届ける方法は、卓の数よりずっと多い。いくらでもある。僕は、「何者か」より、自分の麻雀を何に変換できるか、そのほうが人らしさがきっと出ると思っています。

ここ最近、ずっと考えていることです。

卓の外にある仕事

プロ雀士と聞くと、多くの方はまず対局する姿を思い浮かべると思います。もちろん対局は中心にあります。ただ、プロとして長く活動しようとすると、対局以外にも発信、イベント、解説、ファンとの交流など、さまざまな力が求められます。

これは悪いこととは限らないと私は思っています。「プロ麻雀選手とは何をする職業なのか」という問いには、業界全体でもまだ答えが一つに決まっていない気がします。決まっていないぶん、一人ひとりが自分の形を作っていける余地があるということでもあります。

麻雀を人に届ける方法を並べてみると、本当にたくさんあります。

同じ麻雀の実力を持っていても、どれを選び、どう組み合わせるかで、届くものはまったく違ってきます。

「何者か」より「何に変換できるか」

プロ雀士を紹介するときは、所属団体や獲得タイトルが最初に来ることが多いと思います。それはそれで大事な情報です。ただ、肩書きが教えてくれるのは、その人が「何者か」までです。

一方で、自分の麻雀を何に変換しているかを見ると、その人の性格や大事にしているものがよく見えてきます。

たとえば、同じ場面で同じ牌を切った二人のプロがいたとします。一人は「ここは押しです」と一言で言い切り、もう一人は待ちの枚数や点数状況を一つずつ並べて説明する。どちらが正しいという話ではありません。言い切る人の説明には迷わない強さがあり、並べる人の説明には相手に納得してほしいという丁寧さがあります。同じ一打でも、変換の仕方にその人らしさが出るわけです。

私の場合

振り返ってみると、私もいろんな形で自分の麻雀を変換してきました。

一つ目は教室です。土田浩翔先生の大阪の麻雀教室で、アシスタント講師を長く務めさせていただいています。自分が分かっていることを、初めての方にも伝わる言葉に変えるのは、打つこととはまた別の技術です。

二つ目は文章です。日本に来てからは、雀荘メンバーとして12時間のシフトに入りながら、英語やスペイン語で麻雀の本を訳したり書いたりしていました。2018年には、英語圏の雀士向けに npmahjong.com という麻雀ブログを始めて、海外の方のために検討した牌譜を載せたこともあります。

三つ目は配信です。2024年には、仲林圭プロと一緒に、Mリーグを英語と日本語で同時視聴する配信を始めました。最初の試みは7月のMトーナメントで、その後もMリーグの同時視聴を続けました。告知で「世界一外国語が勉強になるMリーグ実況・解説」と書いたこともあります。

四つ目は通訳です。2025年1月には、中国麻将研究リーグのエキシビションマッチの配信で、プレイヤーではなく、プレイヤーインタビューの通訳を担当しました。

こうして並べると、私の場合は「言葉」が変換器になっていることが多いと気づきます。5ヶ国語ほど話せることは、対局の成績には直接つながりません。ただ、麻雀を誰かに届けるときには、それが私ならではの道具になります。

変換してみると、自分の理解が分かる

変換には、もう一つ良いところがあります。自分の理解の深さが、はっきり見えることです。

なんとなく打っていた一打も、人に説明しようとすると言葉に詰まることがあります。別の言語で説明しようとすると、なおさらです。詰まったところは、たいてい自分がまだ理解しきれていないところです。人に届けようとすることが、そのまま自分の麻雀の練習にもなっています。

プロでなくても、麻雀が好きな方なら誰でも試せます。

やってみると、自分がどんな変換が得意なのか、少しずつ分かってきます。

循環を太くする

麻雀を見る人が打つ人になり、打つ人がもっと強くなりたい人になり、やがて教える人や発信する人、大会を作る人になる。この流れが太くなれば、麻雀を楽しむ人も、プロとして活動を続けられる人も増えていくと思います。

その流れのどこかに、自分の変換が少しでも役に立てばうれしいです。私はこれからも、卓の上で打つことと、それを何かに変えて届けることの両方を続けていきます。

みなさんは、自分の麻雀を何に変換していますか。


2026年10月1日の投稿をもとに、加筆してまとめました。(元の投稿)


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