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麻雀の考え方

麻雀で「勝つ」とは、どういうことか

麻雀で「勝つ」とは、どういうことか

麻雀で勝つには、どうすればいいのでしょうか。

「麻雀なんて結局は運でしょう」と言う人もいますが、私はそうは思いません。ただ、「この打ち方をすれば勝てます」と一言で答えられる問題でもありません。

私がいちばん大事だと思っているのは、自分が打っているルールを理解することです。同じ一打が、あるルールでは好手になり、別のルールでは悪手になります。

強い人でも1位は3割

まず前提として、麻雀は毎回勝てるゲームではありません。4人で打つので、全員が同じ実力なら1位になる確率は25%です。強いプロでも、1位率は30%前後がいいところだと思います。言いかえると、7割の半荘では1位を取れていないということです。

ラスもなくなりません。強い人でも4位は20%ほど引きます。5回に1回はラスです。

初代天鳳位のASAPINさんでさえ、天鳳位になったころの成績は、1位率が約27%、4位率が約22%でした。鳳凰卓のようにトップクラスの打ち手が集まる卓では、最強クラスの人でもこのくらいの数字になります。

1位率が30%ということは、1日に5半荘打って1回もトップが取れない日も、普通にあるということです。負けた半荘からも学べることはたくさんあるので、結果だけで落ち込みすぎないでほしいと思います。

3つの打ち方、どれを選ぶか

ここで、ちょっとした思考実験をしてみます。次の3つの打ち方のうち、どれか1つを選べるとします。選んだ打ち方では、順位の確率が必ずこの通りになるとしましょう。

打ち方1位2位3位4位
A30%20%20%30%
B20%40%20%20%
C35%0%0%65%

Aはトップもラスも多い攻撃的な打ち方、Bはトップは少ないけれどラスも少ない安定型、Cは「トップか、ラスか」という極端な打ち方です。

どれを選びますか。

Aと答えた人も、Bと答えた人も、Cと答えた人も、実は全員不正解です(すみません、ひっかけ問題です)。正解は「ルールはどうなっていますか?」と聞き返すことです。何をもって「勝ち」とするのかで、一番いい打ち方は変わります。

1位だけに価値がある場合

たとえば、ある大会の決勝で、優勝者だけがタイトルを取り、2位から4位までは何位でも扱いがほとんど変わらないとします。この場合は2着も3着も4着も同じなので、1位率が一番高いCが正解です。ラスが65%でも関係ありません。

私が第16期新人王戦の決勝を戦ったときも、まさにこの状況でした。タイトルを取れるのは、優勝した1人だけです。

1日で終わるオープン大会も似ています。予選が5〜6半荘ほどで上位だけが決勝に進めるなら、予選5位でも最下位でも、価値はほとんど同じです。それなら、多少のリスクを取ってでも上を目指したほうがいいです。そういう大会で最下位に終わっても、恥ずかしいことではありません。

リーグ戦なら計算してみる

一方、長いリーグ戦でCを選ぶのは危険です。日本プロ麻雀協会のリーグ戦は25000点持ち30000点返し、順位ウマは10-30です。オカも含めて順位点だけを見ると、次のようになります。

実際には素点の増減もありますが、ここでは順位点だけで考えます。100半荘打ったときの期待値を計算すると、こうなります。

Cはマイナスです。トップは一番多いのに、ラスの多さで全部消えてしまいます。

AとBは同じ+600です。では、どちらでもいいのでしょうか。私はこのルールならAを選びます。

理由は、リーグ戦の半荘数が限られているからです。無限に打てるなら成績は期待値どおりに落ち着きますが、実際に1年で打てる数は決まっていて、昇級できるのは上位だけです。期待値が同じなら、トップを多く取って上位に食い込める可能性があるほうを選びたいです。

終盤に「あと200ポイントないと昇級できない」という状況になったら、199ポイント積み上げても、まったく浮かなくても、昇級できないという結果は同じです。トップを狙うしかありません。シーズン最終戦で1位が必要なら、Cのような打ち方も十分ありえます。逆に、十分なリードがあるならBに寄せて、ラスを避けるのが賢明です。

ルールが変わると答えも変わる

では、トップの価値が小さいルールならどうでしょう。順位点が+20、+10、−10、−20で、オカのないルールで計算してみます。

今度はBが一番です。打ち方はまったく同じなのに、ルールが変わるだけで順番が入れかわります。

もちろん、実戦で「今のはA型の選択だ」と考えながら打つ人はいないと思います。ただ、押し引きやリーチ判断の積み重ねで、自分の打ち方は自然とどちらかに寄っていきます。その方向がいま打っているルールに合っているかどうかは、ときどき確認したほうがいいです。

ネット麻雀や雀荘では

天鳳や雀魂の段位戦も、ポイントの配分がそれぞれ違います。どちらも段位が上がるほど4位のマイナスが大きくなる仕組みなので、ラスを避けることの価値が上がります。天鳳で「ラス回避」がよく言われるのは、このためです。

雀荘のルールもお店ごとにさまざまです。たとえば、1位と2位の差が小さく、2位と3位の差が大きいルールなら、無理にトップを狙って3着に落ちるよりも、2着を確保するほうが得になることがあります。トップの回数が少なくても、トータルではプラスになる打ち方もあります。

大会でもリーグ戦でも、ネット麻雀でも雀荘でも、「勝ち」の形はそれぞれ違います。

おわりに

麻雀は、毎回勝てるゲームではありません。だからこそ、自分が打っているルールで何が「勝ち」なのかを知って、それに合わせて打ち方を変えることが大切です。統計の数字も、どんなルールで出たものなのかと合わせて見る必要があります。

1回のラスをこわがりすぎて、本当に欲しい順位を取りにいけなくなるのはもったいないです。反対に、トップの価値が小さいルールでトップばかり狙っていても、成績はついてきません。

まずは自分の勝ち条件を確かめてから、打ち方を選んでみてください。


この記事は、英語圏の雀士向けに npmahjong.com で書いた「Winning riichi mahjong: calculating your chances」を、日本の読者向けに書き直したものです。(元の記事(英語))


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