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コラム

プロになるより、続けるほうが難しい

プロになるより、続けるほうが難しい
ニコラスの写真

海外の人によく聞かれる。「日本で麻雀プロになるのって、難しい?」僕はいつもこう答える。「なるのは、そんなに難しくない。長く続けるほうが、ずっと難しい」

海外の方と話していると、この質問を本当によくいただきます。

私の答えはいつも同じです。なるのは、思われているほど難しくありません。麻雀プロは囲碁や将棋に比べて入口に立ちやすく、覚えてから1〜2年でデビューする人もいます。難しいのは、その先です。続けようとすると、辞める理由がたくさん出てきます。

投稿にいただいたコメントに返信する形で理由も書いたので、それも含めて、ここで少し補足してまとめておきたいと思います。

続けるために必要なもの

何かを続けるには、もともと精神力が要ります。麻雀プロの場合は、それに加えて次のようなものが必要になってくると私は考えています。

会費や、対局会場までの交通費など、時間だけでなく自分のお金を使う場面は少なくありません。リーグ戦の日程に合わせて予定を空け、ほかの仕事や生活とどう両立させるかを考え続ける必要もあります。私自身も、麻雀以外の仕事と両立しながら活動しています。

さらに、自分を知ってもらう努力もしなければなりません。強いだけでは、なかなか見つけてもらえない世界です。SNSで発信をすれば、ときには知らない人から厳しく叩かれることもあります。

そして、努力がそのまま収入や評価につながるわけでもありません。

合理的な人ほど迷う

麻雀という競技は、そもそも物事を合理的に、損得や期待値で考える力を求めます。そういう考え方ができる人ほど、「これを続ける意味は何だろう?」と疑問に思ってしまうのは、とても自然なことだと思います。

同じ時間、お金、能力をほかのことに使ったほうが、人生全体で見た期待値が高いことも珍しくありません。そう考えると、麻雀プロとして頑張り続けることは、ある意味ではかなり不合理な選択になりやすいです。

だからこそ、続けるには合理性を超えるくらいのパッションと、麻雀プロという世界への愛や憧れが必要になります。そして、その世界をずっと好きでいられること自体も、実はそんなに簡単なことではありません。

私が続けている理由

それでも私は、高校生のころからずっと日本の麻雀プロに憧れてきました。いろんなことを知って、いろんなものを見てきた今でも、麻雀プロを諦めている自分の未来は、あまり想像できません。

ただ、もしその憧れがなかったらどうだったでしょうか。もっと冷静に、時間とお金とリターンだけを計算する自分だったら、ここまで続けていなかったかもしれません。つまり、卓上では期待値を追いかけているのに、卓に座り続ける理由のほうは期待値ではうまく説明できない、ということです。

減っていく仲間

憧れて入ってきた仲間が、一人、また一人と諦めていくのは、本当に寂しいです。私の同期も、今も残っているのは2人だけです。

辞めるという判断も、さきほど書いたように、損得で考えればとても自然なものです。その一方で、「だったら、この現状を少しでも変えたい」と思っているのも、今いる多くのプロや麻雀愛好家なのではないかと思います。私もその一人です。

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「麻雀プロになりたい」と思った人が、なった後にも「続けたい」と思える世界に。そんなふうに少しずつ変わっていくところを、僕はこの目で見届けたいです。

これからプロを目指す方へ

プロを目指している方に、私から言えることは多くありません。ただ、なる前に一度だけ、「自分はなぜ続けたいのか」を考えてみてほしいと思います。

なることが目標だと、なった瞬間にゴールが消えてしまいます。続ける理由は、憧れでも、仲間でも、普及への思いでも構いません。計算では割り切れない何かをひとつ持っておくと、続けるのがつらくなった日にきっと支えになってくれます。

そして、無理はしないでください。生活や仕事、自分の将来を大切にしながら続けられる形を探すことも、長く続けるための立派な技術だと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


2026年8月25日の投稿をもとに、加筆してまとめました。(元の投稿)


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