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麻雀の考え方

間違った判断で勝つのがいちばん怖い

間違った判断で勝つのがいちばん怖い
ニコラスの写真

僕は、勝った直後の自分をあまり信用しすぎないようにしている。負けた理由は探すのに、勝った理由は案外、検証しない。麻雀で怖いのは、間違った判断で負けることだけじゃない。間違った判断で勝って、正解だと思い込むこと。

負けたときだけ反省してしまう

ラスを引いた日は、帰り道でもつい頭の中で局を再生してしまうものです。あの放銃は避けられたのか、あそこでリーチをかけるべきだったのか。悔しさが、自然と振り返りのきっかけになってくれます。

ところが、トップを取った日はどうでしょうか。気分よく卓を立って、「今日は調子が良かった」で終わってしまうことが多いと思います。勝った半荘の牌譜をじっくり見返す人は、負けた半荘を見返す人よりずっと少ないはずです。

人は、痛みがあるときに原因を探します。勝ったときには痛みがないので、理由を探す動機がそもそも生まれにくいのです。

結果と判断は別のもの

麻雀は、運の要素がとても大きいゲームです。正しい判断をしても負けることがありますし、間違った判断をしても勝つことがあります。一局の結果だけを見ていると、この二つの区別がつきません。

組み合わせで考えると、四つのパターンがあります。

判断結果起きやすいこと
正しい良い自信になる
正しい悪い必要以上に自分を責めてしまう
間違い悪い反省して、次に活かせる
間違い良い間違いに気づかず、同じことを繰り返す

この中で一番危ないのは、最後の「間違った判断で良い結果が出た」パターンだと私は考えています。

たとえば、南場で子から先制リーチを受けたとします。こちらはまだ2シャンテンで、打点も安く、手の中には安全牌もある。それでも無筋の牌を押し、運よく通って、そのあとテンパイしてツモ和了できた。結果だけ見れば大成功です。

でも、同じ場面を何十回、何百回と繰り返したらどうでしょうか。安い2シャンテンから危険牌を押し続ければ、和了よりも放銃のほうが多くなるはずです。たまたま一回うまくいっただけで、判断としては分の悪い選択でした。

間違った判断で勝つ怖さ

間違った判断で負けたときは、少なくとも反省の機会があります。痛い目を見たことで、次は打ち方を変えようと思えます。

ところが、間違った判断で勝つと、その判断が成功体験として記憶に残ります。「あそこで押したから勝てた」と思い込めば、次に同じような場面が来たとき、迷わず同じ牌を押すでしょう。そして長い目で見ると、その一打が少しずつ成績を削っていきます。

しかも、勝った直後は気持ちが高ぶっていて、自分の判断を疑いにくい状態です。勝った直後の自分を信用しすぎないというのは、自分を否定することではありません。結果が出たときほど、一度立ち止まって判断を確かめたいということです。

勝った半荘の振り返り方

では、勝った半荘をどう振り返ればよいのか。私がおすすめしたいのは、次のような見方です。

  1. 勝負を分けた局を一つか二つ選ぶ。 全局を見返すのは大変なので、トップにつながった和了や、大きな押し引きをした局にしぼります。
  2. 結果を隠して判断だけを見る。 牌譜を見るときは、その後のツモや相手の手牌を見ないつもりで、その巡目の自分の情報だけで判断を見直します。
  3. 「同じ場面を100回打ったら」と考える。 今回たまたま出た結果は脇に置いて、何度も繰り返したときにどの選択が一番得をするかを考えます。
  4. 運に助けられた局に印をつける。 「この和了は判断が良かった」「この和了はツモが良かっただけ」と分けておくだけで、勝ちの中身がかなり見えてきます。

自分だけで判断がつかないときは、強い人に牌譜を見てもらうのも良い方法です。そのときも、結果を先に伝えずに「この場面、何を切りますか」と聞くと、結果に引っぱられない意見をもらいやすくなります。

負けた半荘も同じ目で

この考え方は、負けた半荘にも同じように使えます。

負けた日は、つい自分の判断を全部疑いたくなります。でも、放銃した一打が実は正しい押しだったということもよくあります。結果が悪かったからといって、正しい判断まで変えてしまうと、今度はそちらが成績を削る原因になります。

勝ったときは「本当に正しかったか」と疑い、負けたときは「本当に間違いだったか」と疑う。結果より判断の質で自分を評価するのは簡単ではありませんが、長く麻雀を続けるうえでは大切な習慣だと思っています。

おわりに

勝てばうれしいですし、そのうれしさを否定するつもりはまったくありません。トップを取った日は素直に喜んでいいと思います。

ただ私は、喜んだあとに少しだけ時間をとって、「この勝ちは、判断で取ったものなのか、運で取ったものなのか」を確かめるようにしています。その小さな検証の積み重ねが、次の半荘の自分を少しずつ強くしてくれるはずです。


2026年10月9日の投稿をもとに、加筆してまとめました。(元の投稿)


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